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Carolyn Graham先生と一緒に、ワークショップを企画させていただいて3年が過ぎました。このワークショップでは、午前中のセッションで英語のリズムを体感し、それを言語学習のツールとして活かしていくためにチャンツを使う方法など、Carolyn先生からチャンツについての基本を学びます。そして、午後のセッションでは自分でチャンツを作り、発表し、Carolyn先生から個々にコメントをいただきます。2008年は午後のセッションの題材としてStory Street ファウンデーション・ステップの絵本(文字が書かれていない絵本)を使わせていただきました。

Carolyn先生がおっしゃるチャンツとは、「英語を母語としない英語学習者が、きちんと教育を受けたアメリカ人が使う英語を使えるようになって欲しい」というお考えから生まれたものです。ですから、日常使う表現の中から、通じればいいという次元のくだけた表現ではなく、どんな場で使っても恥ずかしくない表現を選び、英語のリズム=ジャズのリズムに乗せ、そこに取り上げた言葉を自由に遊ばせることが大切です。

具体的なステップとして、まず、名詞を取り上げるときには、そのカテゴリーを決めるところから始めます。そして、そのカテゴリーの単語をリストアップします。この点で、絵辞典は、編集の段階で詳細なリサーチに基づいて選定した学習者に必要な単語がカテゴリー別に掲載されていますので、非常に役に立ちます。

単語のリストができたら、これらを音節の数によってグループ分けします。たとえば、soccerは2音節、basketballは3音節です。このようにしてグループ分けした単語の中から、1音節・2音節・3音節の単語をひとつずつ選び、2-3-1, 2-3-1, 2-3 2-3, 2-3-1のパターンに並べるだけで、Jazzyなリズムのあるチャンツが出来上がります。

また、その名詞の意味を広げる形容詞として、色やサイズを表す言葉をつけて、フレーズのチャンツを作ることができます。

次に、そのカテゴリーの単語に結びつきやすい動詞を選んで、センテンスにします。たとえば、スポーツであればplay、食べ物であればlikeなどが良いでしょう。ここで、シンプルだけれど、英語を外国語として学習する人にとってなかなか体にしみこませるのが難しい代名詞と三単現のsを取り入れると良いでしょう。

さらに、コミュニケーションとして面白くするために、議論の要素を入れます。つまり、疑問文や否定文に変えて会話の形にしてやり取りをします。このようにして「教育を受けた英語話者」として必要な文法的な知識を取り入れ、楽しく繰り返しドリル練習をすることによって身につけます。

このように、単語をベースに広げていく方法もあれば、英語の音の練習に焦点を当てたり、場面から始めたりする方法もあります。特に絵本のように、お話の流れがあるものを題材にするときには、お話の場面とその流れを大切にしたいところです。

では、Carolyn先生からこのようなご指導を受けた上で、Story Street ファウンデーション・ステップから "A Walk with Sam" を元に私が作ったチャンツをご紹介しましょう。

まずはボキャブラリー・チャンツです。

BROWN DOG, ORANGE CAT, BIRDS (page 6-7)
Brown dog, orange cat, birds ×
Brown dog, orange cat, birds ×
Brown dog, orange cat
Brown dog, orange cat
Brown dog, orange cat, birds ×
(「×」のところでは、手拍子で一拍入れます。)
 

これは、始めにご紹介した音節の数のパターンでフレーズを並べることによって、登場キャラクターをインプットするためのチャンツです。

次のチャンツは、このお話を通して、ページをめくる合図として使います。

WALK WITH SAM
Walk, walk, walk with Sam
Walk, walk, walk with Sam
Walk, walk, walk with Sam
Let’s take a walk with Sam
チャンツは、一行を4拍でリズムを刻みます。そのときには冠詞や前置詞などの機能語ではなく、内容語のところに拍を入れることに注意します。

次に、絵の中にある情報に注意を向けることを目的に、そして会話の形でのやり取りを取り入れたチャンツをご紹介します。

WHAT DO YOU SEE? (page 1)
What do you see? × ×
I see a girl. × ×
What do you see? × ×
I see a bird. × ×
How many birds? × ×
I see four. × ×
I see four birds looking at the girl.

Do you see the birds? × ×
Yes, I do. × ×
How many birds? × ×
I see four. × ×
Four what? × ×
Four birds. × ×
How many birds do you see?
FOUR!
I see four birds looking at the girl.
 

これは、ペアになって、もしくはクラスを二つのグループに分けて、何度もしつこく繰り返される質問に対して答えるほうがだんだんいらいらしてくるような感情を乗せてやり取りをすると、とても面白い会話になります。

さて、Carolyn先生がいつも「チャンツは誰にでも簡単に作ることができる」とおっしゃるとおり、素材となるものをじっくり分析してから、後は言葉を自由に遊ばせる遊び心を持って取り掛かれば、誰にでもチャンツを作ることができると思います。ただ、英語が母語ではない私にとって「簡単に」かどうかは別ですので、もっともっと英語のリズムについて学んでいきたいと思います。

Carolyn先生との一日ワークショップは、2009年も11月から12月の時期に開催させていただく予定です。ご興味をお持ちいただいた方がありましたら、情報を随時アップしておりますので、時々JJ Fellowship のサイトをチェックしてくださいね。

 

ハビック 真由香
JJ Fellowship 代表。指導者や保護者を対象としたセミナー・ワークショップや、子どもたちを対象としたイベントを開催している。教材開発と販売を手がける有限会社イー・フォー・ユー取締役。レゴ エデュケーション センター公認トレーナー。